「ミニ株って言葉は聞くけど、一体何?」
「株は難しそうだし、まとまったお金もない…」
そんな風に感じていませんか?この記事を読めば、ミニ株の基本から始め方、注意点までスッキリ理解でき、少額からでも気軽に株式投資をスタートできます。
かつては高嶺の花だった有名企業の株も、ミニ株なら数百円から買えるので、無理なく資産形成への一歩を踏み出せます。
ミニ株を活用すれば、リスクを抑えつつ、将来のための資産運用を始められ、配当金や株主優TAINといった楽しみも味わえるかもしれません。
1. ミニ株とは?基本概念と仕組み
この章では、「ミニ株って何だろう?」という疑問にお答えします。ミニ株の基本的な考え方や、どういう仕組みで株を買えるのかを、わかりやすく解説します。また、似たような言葉である「単元未満株」や「株式ミニ投資」との違い、そしてなぜ今ミニ株が多くの人に注目されているのか、その理由も一緒に見ていきましょう。これを読めば、ミニ株の第一歩が踏み出せますよ。
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1.1 単元未満株・株式ミニ投資との違い
株の世界には色々な言葉があって、最初は少し戸惑うかもしれませんね。
ここでは「ミニ株」とよく似た「単元未満株(たんげんみまんかぶ)」、そして「株式ミニ投資」という言葉のちがいをスッキリ整理します。
これを読めば、言葉の迷路で迷うことなく、ミニ株の理解を深められます。
(1) 株の基本単位「単元(たんげん)」とは?
株式市場で株を売買するとき、通常は一定のまとまった株数単位で行われます。
この基本単位を「単元(たんげん)」と呼びます。
日本の多くの会社では、この1単元を100株としています。
例えば、ある会社の株価が1株2,000円だったとしましょう。
この会社の株を単元株で買おうとすると、最低でも2,000円に100株を掛けた金額、つまり20万円の資金が必要になる計算です。
これは、投資を始めたばかりの方には少し大きな金額かもしれません。
(2) 「単元未満株(たんげんみまんかぶ)」とは?
「単元未満株」とは、その名の通り、1単元に満たない株数のことを指します。
1単元が100株の会社であれば、1株から99株までが単元未満株にあたります。
証券会社が提供しているサービスを通じて、この単元未満株を1株から売買できるようになっています。
先ほどの例で言うと、1株2,000円から投資を始めることが出来るのです。
ぐっと手が届きやすくなりますね。
(3) 「株式ミニ投資」とは?
「株式ミニ投資」という言葉も、以前はよく耳にしました。
これは、もともと単元株の「10分の1」の単位、つまり1単元が100株なら10株単位で取引する制度を指していました。
当時は、これでもかなり少額から投資できる画期的な仕組みでした。
(4) 今日の「ミニ株」とは?
歴史的には10株単位の「株式ミニ投資」を指すことが多かった「ミニ株」ですが、ここ最近では「単元未満株」とほぼ同じ意味で使われることが一般的です。
以前は一部の証券会社で10分の1単位のミニ株が扱われていましたが、その取り扱いは終了しています。
現在では、「ミニ株」というと、1株から購入できる「単元未満株」のサービスを指すのが主流となっています。
ですから、「ミニ株とは?」と聞かれたら、「企業が発行する株式を、通常の100株単位(単元株)よりも少ない、1株からでも購入できる仕組みのこと」と理解すると良いでしょう。(キーワード1回目)
この仕組みのおかげで、投資のハードルがぐっと下がりました。
各証券会社では、この単元未満株取引サービスに親しみやすい独自の愛称をつけて提供しています。
例えば、SBI証券では「S株(エスかぶ)」、楽天証券では「かぶミニ®」という名前です。
また、マネックス証券では「ワン株」、auカブコム証券では「プチ株®」といった名前で呼ばれています。
これらのサービスを利用することで、誰でも気軽に株式投資の世界に足を踏み入れることが出来るのです。
言葉の定義は時代と共に少しずつ変わっていくものですが、大切なのは「少額から株を買える」という便利な仕組みがあるという点です。
特に投資初心者の方にとっては、この「1株から買える」という手軽さが、株式投資を始める大きなきっかけになるでしょう。
証券会社によってサービス名が異なるため、自分が利用しやすい証券会社のサービス内容を調べてみるのがおすすめです。



1.2 ミニ株が注目される背景
なぜ今、多くの人が「ミニ株」に注目しているのでしょうか。
その人気のヒミツを一緒に探っていきましょう。
ミニ株がこれほどまでに広まった背景には、いくつかの社会的な変化や投資環境の整備が関係しています。
理由1:投資へのハードルが劇的に低下
ミニ株が注目される最大の理由は、ごく少額から株式投資を始められるようになったことです。
これは本当に画期的な変化と言えるでしょう。
従来、株式投資にはある程度まとまった資金、例えば数十万円単位のお金が必要でした。
しかし、ミニ株の登場により、数百円や数千円といった金額からでも、誰もが知っているような有名企業の株主になることが可能になったのです。
例えば、お昼ご飯一回分くらいのお金で、あこがれの企業の株を買えるかもしれません。
この手軽さが、「株式投資はお金持ちがするもの」という長年のイメージを少しずつ変え、より多くの人々にとって身近な選択肢となる大きな力になりました。
資金面の心配が減ることで、一歩を踏み出しやすくなったのです。
理由2:若年層や投資初心者の関心の高まり
ここ最近、将来への備えや自分自身の資産を形成していこうという意識が、特に若い世代を中心に高まっています。
年金の話題や、低金利が長く続いていることなども、そうした意識の変化に影響しているのかもしれません。
また、スマートフォン用のアプリなどを通じて、投資に関する情報へのアクセスや実際の取引が格段に容易になったことも、この傾向を後押ししています。
電車の中でも、休憩時間でも、手軽に株価をチェックしたり、注文を出したり出来るようになりました。
ミニ株は、こうした投資初心者の方々が「まずは少しだけ試してみよう」と、株式投資の世界へ最初の一歩を踏み出すための、理想的な入り口となっています。
実際に体験することで、投資がより身近に感じられるようになるでしょう。
理由3:NISA制度など、国による投資促進策
NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)のように、投資で得た利益が一定の金額まで非課税になる、つまり税金がかからなくなる制度が導入され、その活用が広がっています。
これは国が個人の資産形成を応援するための仕組みの一つです。
ミニ株も、このNISA制度の対象となる場合が多くあります。
税制面での優遇を受けながら投資を始めやすい環境が整ったことも、ミニ株が注目度を高めている一つの要因と言えるでしょう。
せっかく投資をするなら、お得な制度を上手に活用したいものですね。
理由4:金融教育の普及と情報アクセスの向上
インターネットの普及は、私たちの情報収集の方法を大きく変えました。
ブログやSNS、動画サイトなどを通じて、投資に関する様々な情報や専門家の知識が、以前よりもずっと手軽に入手できるようになったのです。
また、学校教育の現場や、社会人向けのセミナーなどでも、金融リテラシー、つまりお金に関する知識や判断力の大切さが説かれる機会が増えています。
これらを通じて、自分自身で主体的に学ぼうとする人が増えている傾向にあります。
ミニ株は、実際に少額で株を売買しながら、経済のニュースが株価にどう影響するのか、企業の業績と株価はどう連動するのかといったことを、肌で感じながら体感的に学べる、実践的な教育ツールとしての側面も持っています。
本を読むだけでは分からない、リアルな経験が出来るのです。
このように、ミニ株が注目される背景には、金銭的なハードルの低下だけでなく、「難しそう」「損をするのが怖い」といった心理的な壁を取り払いやすくなった点も大きいと考えられます。
テクノロジーの進化、制度の後押し、そして情報へのアクセスの容易さが組み合わさり、多くの人にとって投資がより身近なものへと変わってきているのです。
ミニ株は、その象徴的な存在と言えるかもしれません。



2. ミニ株のメリット
ミニ株には、特に投資初心者の方にとって嬉しいポイントがたくさんあります。この章では、ミニ株の具体的なメリットを4つ、詳しく解説していきます。「少額から始められる」「リスクを分散しやすい」「配当金や値上がり益も期待できる」「NISAでお得に運用できる」など、ミニ株の魅力を知れば、あなたもきっと投資を始めたくなるはずです。
2.1 少額から投資できる
ミニ株が持つ最大の魅力、それは何と言っても「ごく少ないお金で株式投資を始められる」点です。
これがどれほど画期的なことか、具体的に見ていきましょう。
(1) 手の届く金額で有名企業の株主に
通常の株式取引、いわゆる単元株取引では、株を買うためにある程度まとまった資金が必要になります。
例えば、株価が5,000円のA社の株を買う場合を考えてみましょう。
もし1単元が100株だとすると、最低でも5,000円に100株を掛けた50万円、これに加えて取引手数料が必要になるのです。
しかし、ミニ株(単元未満株)の制度を利用すれば、同じA社の株を1株から購入できる場合があります。
つまり、わずか5,000円(プラス手数料)から投資をスタートできる可能性があるのです。
これにより、普段ニュースで名前を聞くような有名企業や、株価が高くて「自分には手が届かないな」と思っていたような企業の株でも、現実的な金額で株主になる道が開かれます。
これは大きなメリットと言えるでしょう。
(2) お小遣いや余剰資金で気軽にスタート
ミニ株なら、毎月のお小遣いや、日々の生活で少し余ったお金、いわゆる余剰資金を使って、気軽に株式投資を体験できます。
「投資のためにお金をたくさん貯めなければ…」と気負う必要がありません。
「今月から少しずつ始めてみようかな」と思い立ったそのタイミングで、すぐに行動に移しやすいのが大きな利点です。
無理のない範囲で始められるので、長続きしやすいとも言えます。
(3) 投資の練習・体験に最適
初めての株式投資は、誰にとっても未知の世界で、不安がつきものです。
「もし損をしたらどうしよう」「操作が難しそう」など、色々な心配があるかもしれません。
ミニ株は、少ない資金で実際の株取引を経験できるため、株価がどのように動くのか、注文はどのように出すのか、といった株式投資の基本的な事柄を、実践を通じて学ぶ絶好の機会となります。
本で知識を得るのも良いですが、実際にやってみることで分かることは非常に多いです。
万が一、投資した株の価値が下がってしまったとしても、投資金額が少なければ損失も限定的で済みます。
このことは、精神的な負担を軽くし、冷静に市場の動きと向き合う助けになるでしょう。
少額で始められるというメリットは、経済的な負担を軽くするだけでなく、「失敗したらどうしよう」という心理的なハードルを大きく下げてくれます。
この安心感が、投資を学ぶ意欲を支え、結果としてお金に関する知識や判断力、いわゆる金融リテラシーの向上につながるという良い循環を生み出す可能性があります。
また、若いうちから少額でも投資に触れる経験は、将来、より大きな規模で資産運用を行うための大切な土台作りにもなります。



2.2 分散投資がしやすい
投資の世界でよく聞かれる「分散投資(ぶんさんとうし)」という言葉。
これは、大切な資金を守りながら育てるための重要な戦略の一つです。
ミニ株は、この分散投資を驚くほど手軽に実現させてくれます。
(1) 分散投資とは?
分散投資とは、投資する資金を一つの対象、例えば一社の株だけに集中させるのではなく、複数の異なる対象に分けて投資する手法のことを言います。
よく「卵は一つのカゴに盛るな」という格言で説明されます。
もし一つのカゴを落としてしまっても、他のカゴに入っている卵は無事であるように、一つの投資先が不調に陥ったとしても、他の投資先の好調さでカバーし、全体として大きな損失を避けることを目指す考え方です。
具体的には、異なる業種の企業に投資したり、株式だけでなく債券や不動産など、値動きの性質が異なる種類の資産に投資したりします。
リスクをできるだけ小さくするための知恵と言えるでしょう。
(2) ミニ株で分散投資が簡単な理由
ミニ株は1株から購入できるため、限られた資金であっても多くの企業の株を少しずつ保有することが可能です。
これが分散投資を容易にする大きな理由です。
例えば、手元に5万円の投資資金があるとします。
もし株価5万円のA社の株を単元株で買おうとすると、1単元(通常100株なので、この例では株価500円の株を100株)しか買えません。
しかし、ミニ株なら、株価2,000円のB社の株を数株、株価3,000円のC社の株を数株、株価5,000円のD社の株を数株…といったように、複数の企業の株を組み合わせて持つことができます。
これにより、例えばIT関連の企業、食品関連の企業、医療関連の企業など、経済状況によって値動きの傾向が異なる様々な業種の企業に資金を振り分けることが容易になります。
結果として、ある特定の業種が不調でも、他の業種の好調さで補うなど、リスクの低減効果が期待できるのです。
(3) 時間の分散(ドルコスト平均法的なアプローチ)
分散投資には、投資先の分散だけでなく、「時間の分散」という考え方もあります。
一度に大きな金額を投じるのではなく、毎月決まった額を定期的に買い付けていく「積立投資」も、ミニ株なら無理なく行えます。
株価が高い時も安い時もコンスタントに購入を続けることで、平均購入単価を平準化する効果が期待できます。
これは「ドルコスト平均法」という投資手法に似た効果で、株価が高い時にたくさん買ってしまう「高値掴み」のリスクを和らげることができます。
ミニ株を使った分散投資は、初心者が自分自身でポートフォリオ、つまり資産の組み合わせを考え、それを少しずつ育てていくという貴重な体験を可能にします。
少額で様々な銘柄に触れることで、それぞれの業界や企業が持つ特性を学び、自分なりの投資判断の基準を養うことにもつながるでしょう。
これは、単にリスクを分散するというだけでなく、投資家として成長していく上での大切なプロセスです。
かつては、分散投資という戦略はある程度の資金力が必要で、やや高度な投資手法と見なされがちでした。
ミニ株は、この有益な戦略を極めて低いハードルで実践可能にした点で、非常に画期的と言えるでしょう。



2.3 配当金・値上がり益も享受できる
ミニ株で投資をすると、たとえ少額であっても、株式投資ならではの二つの主な利益、「配当金」と「値上がり益」を得るチャンスがあります。
これらは投資の楽しみであり、資産を増やすための重要な要素です。
(1) 配当金(はいとうきん)とは?
配当金とは、企業が事業活動によって得た利益の一部を、株主に対してその持ち株数に応じて分配するお金のことです。
これを専門用語でインカムゲインと呼ぶこともあります。
企業が「株主の皆さまのおかげで利益が出ましたので、お礼に一部をお分けします」というイメージですね。
ミニ株を保有している場合でも、1株からでも、その株数に応じた配当金を受け取ることができます。
例えば、ある企業が「1株あたり年間30円の配当を出します」と発表したとしましょう。
もしあなたがその企業の株を10株持っていれば300円、たとえ1株だけでも30円の配当金が(税金が引かれる前の金額として)支払われることになります。
ただし、全ての企業が配当金を出すわけではありません。
また、企業の業績によっては配当金の額が増えたり減ったり、あるいは配当金が出ない「無配」になったりすることもあります。
配当金は、銀行預金の利息のように、持っているだけで定期的にお金が入ってくる可能性があるのが魅力です。
(2) 値上がり益(ねあがりえき)とは?
値上がり益とは、購入した株の価格が、買った時よりも上昇したタイミングで売却することで得られる利益のことです。
これを専門用語でキャピタルゲインと呼ぶこともあります。
例えば、1株1,000円で買った株が、その後1,200円に値上がりした時に売れば、1株あたり200円の利益(税金や手数料を考慮する前)が得られる、という仕組みです。
ミニ株も通常の株式と同様に、市場での需要と供給のバランスによって日々価格が変動します。
企業の成長や良いニュースなどによって株価が上がれば、値上がり益を狙うことができます。
もちろん、逆に株価が下がって損をしてしまうリスクもあります。
(3) ミニ株でも両方の利益が期待できる
ミニ株は、投資する金額が少ないからといって、これらの利益を得るチャンスが減るわけではありません。
保有している株数に応じて、きちんと配当金を受け取る権利がありますし、株価が上昇すれば値上がり益も期待できます。
「ミニ株とは、少額でも本格的な株式投資の醍醐味を味わえる仕組み」と言えるでしょう。(キーワード2回目)
投資初心者の方にとっては、実際に配当金を受け取ったり、少額でも値上がり益を経験したりすることが、投資への理解を深め、継続していくモチベーションにつながることも多いです。



2.4 NISAを活用した非課税投資
ミニ株のメリットとして、税金がお得になる制度「NISA(ニーサ)」を活用できる点も見逃せません。
賢く投資をする上で、税金の知識はとても役立ちます。
(1) NISA制度とは?
NISA(少額投資非課税制度)とは、毎年一定金額の範囲内で行った投資から得られる利益(配当金や値上がり益など)に対して、税金がかからなくなる制度のことです。
通常、株式投資で利益が出ると、その利益に対して約20%の税金がかかります。
例えば10万円の利益が出た場合、約2万円が税金として引かれてしまうのです。
しかし、NISA口座を利用して投資を行えば、この税金が免除されるため、利益をまるごと受け取ることができます。
これは非常に大きなメリットと言えるでしょう。
NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があり、それぞれ年間の非課税投資枠や対象商品が異なります。
(2) ミニ株とNISAの相性
多くの証券会社では、ミニ株(単元未満株)の取引もNISA口座で行うことが出来ます。
SBI証券の「S株」、楽天証券の「かぶミニ®」、マネックス証券の「ワン株」、auカブコム証券の「プチ株®」など、主要なミニ株サービスはNISAに対応していることが多いです。
少額から始められるミニ株と、非課税のメリットがあるNISA制度は、非常に相性が良い組み合わせと言えます。
特に、これから投資を始める初心者の方が、税金の負担を気にせずに投資経験を積むのに適しています。
非課税枠を有効に活用しながら、コツコツと資産形成を目指せるでしょう。
(3) 非課税のメリットを活かそう
NISA口座でミニ株に投資し、そこで得た配当金や、株価が値上がりして売却した時の利益には税金がかかりません。
例えば、NISA口座で買ったミニ株が値上がりして1万円の利益が出たとします。
通常の口座であれば約2,000円の税金が引かれますが、NISA口座なら1万円がそのまま手元に残るのです。
この差は、投資額が大きくなったり、運用期間が長くなったりするほど、無視できない金額になります。
ミニ株で投資を始める際には、ぜひNISA制度の活用も検討してみてください。
証券会社のウェブサイトなどで、NISA口座でのミニ株の取り扱いについて確認してみましょう。



3. ミニ株のデメリットと注意点
ミニ株には多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットや注意しておきたい点も存在します。これらを事前に知っておくことで、より安心してミニ株投資を始めることができるでしょう。手数料、取引のタイミング、株主としての権利など、具体的にどのような点に気をつけるべきか、一緒に確認していきましょう。
3.1 手数料が割高になりやすい
ミニ株は少額から取引できるのが魅力ですが、手数料の仕組みには少し注意が必要です。
取引金額に対する手数料の割合が、通常の単元株取引と比べて相対的に高くなるケースがあります。
(1) 単元株取引との手数料比較
通常の単元株取引では、一度にまとまった金額の取引を行うため、約定代金に対する手数料の割合は比較的低く抑えられる傾向にあります。
一方、ミニ株は1回の取引金額が小さいため、もし最低手数料が設定されている場合や、取引金額に対して一定の比率で手数料がかかる場合、その手数料が利益を圧迫してしまう可能性があります。
例えば、100円の利益が出ても、手数料で50円かかってしまうと、実質の利益は半減してしまいます。
(2) 手数料の体系を理解する
ミニ株の手数料体系は証券会社によって様々です。
主なものとしては、以下の様なタイプがあります。
- 約定代金に関わらず、1回の取引ごとに固定の手数料がかかるタイプ。
- 約定代金に対して、一定の割合(例:0.5%など)の手数料がかかるタイプ。
- 最低手数料が設定されており、計算上の手数料がそれを下回る場合は最低手数料が適用されるタイプ。
- 買付時は無料だが、売却時には手数料がかかるタイプ。
- 特定の条件を満たせば無料になるタイプ。
例えば、SBI証券の「S株」や楽天証券の「かぶミニ®」では、特定の条件下で売買手数料が無料になるプランも提供されています。
マネックス証券の「ワン株」も買付手数料は無料です。
しかし、楽天証券の「かぶミニ®」でリアルタイム取引をする際には、手数料とは別にスプレッド(売値と買値の差)という実質的なコストがかかる点も知っておく必要があります。
(3) 少額取引ゆえの注意点
特に数百円や数千円といった非常に少額の取引を頻繁に行う場合、手数料の負担が相対的に重くなる可能性があります。
取引を始める前に、利用する証券会社のミニ株に関する手数料体系をしっかりと確認し、ご自身の投資スタイルに合っているかを見極めることが大切です。
手数料無料のキャンペーンなどを上手に活用するのも一つの方法でしょう。



3.2 リアルタイム取引・指値注文の制限
ミニ株の取引では、通常の単元株取引と比べて、取引のタイミングや注文方法にいくつかの制限がある場合があります。
この点を理解しておくことは、スムーズな取引のために役立ちます。
(1) 約定タイミングの仕組み
多くの証券会社が提供するミニ株サービスでは、注文を出してもすぐに取引が成立(約定:やくじょう、と言います)するわけではありません。
証券会社が定める特定の時間に注文を取りまとめ、その時点での株価(例えば、午前の取引開始時の価格である始値:はじめね、や午後の取引開始時の始値など)で一括して取引を行う方式が一般的です。
例えば、マネックス証券の「ワン株」では、当日午前11時30分までの注文が、原則として後場(午後の取引時間)の始値で約定します。
(2) リアルタイム取引が出来ない場合がある
上記のような仕組みのため、株価の動きをリアルタイムで見ながら「今だ!」という瞬間に売買することは、多くのミニ株サービスでは難しい場合があります。
市場が大きく変動している時など、自分の思った通りの価格で取引できない可能性があることは、あらかじめ理解しておく必要があります。
ただし、例外もあります。
例えば、楽天証券の「かぶミニ®」では、東京証券取引所の取引時間中(午前9:00~11:30、午後12:30~15:25)であれば、リアルタイムで株価を見ながら売買することが可能です。
これは、機動的な取引をしたい方にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
(3) 指値注文の可否
指値注文(さしねちゅうもん)とは、「この価格になったら買いたい(売りたい)」と、自分で価格を指定する注文方法です。
これに対し、価格を指定せずに「いくらでもいいから買いたい(売りたい)」という注文を成行注文(なりゆきちゅうもん)と言います。
従来のミニ株サービスでは、成行注文しか受け付けないケースが多く見られました。
しかし、ここでも変化があり、例えば楽天証券の「かぶミニ®」のリアルタイム取引では、指値注文も可能です。
ご自身の投資戦略に合わせて、利用する証券会社のサービスがどのような注文方法に対応しているかを確認しましょう。
「ミニ株とは、手軽さが魅力だけど、取引ルールは証券会社ごとに違うから注意が必要なんだな」と覚えておくと良いでしょう。(キーワード3回目)



3.3 議決権・株主優待の制限
ミニ株(単元未満株)を保有する場合、通常の単元株主が持つ権利の一部が制限されることがあります。
特に「議決権」と「株主優待」については、事前に知っておくべき点があります。
(1) 議決権とは?
議決権とは、株式会社の株主総会に出席し、会社の経営に関する重要な議案(例えば、取締役の選任や合併など)に対して賛成または反対の意思表示をする権利のことです。
株主は会社の実質的なオーナーの一人であり、議決権はそのオーナーシップを示す重要な権利の一つと言えます。
(2) 単元未満株と議決権
原則として、単元未満株主にはこの議決権が認められていません。
議決権は、1単元(通常100株)以上の株式を保有する株主に与えられる権利だからです。
つまり、ミニ株で数株だけ保有している状態では、株主総会での議決権行使は出来ないのが一般的です。
ただし、企業によっては、単元未満株主に対しても何らかの形で情報提供を行ったり、株主としての意見を聞く機会を設けたりするケースも稀にあります。
(3) 株主優待とは?
株主優待とは、企業が株主に対して、自社製品やサービス、割引券、金券(クオカードなど)などを提供する制度のことです。
企業が株主への感謝のしるしとして行うもので、個人投資家にとっては株式投資の楽しみの一つとなっています。
株主優待の内容やもらえる条件(必要な株数など)は、企業によって様々です。
(4) ミニ株での株主優待の扱い
株主優待も、基本的には一定以上の株数(例えば100株以上など、単元株以上が条件であることが多い)を保有している株主を対象としている場合がほとんどです。
そのため、ミニ株で数株だけ保有している場合は、株主優待の対象外となることが多いでしょう。
「株主優待が欲しい!」という目的で投資をする場合は、その企業の優待獲得に必要な最低株数を確認し、単元株での購入を検討するか、ミニ株を買い増して単元株を目指す必要があります。
ただし、ここにも例外があり、一部の企業では、1株からでも株主優待を提供している場合があります。
例えば、上新電機(8173)は9月の権利確定で1株からでも買い物優待券がもらえたり、東京日産コンピュータシステム(3316)は1株からクオカードPayがもらえたりする事例があります(2023年5月時点の情報)。
このような企業はまだ少数ですが、興味がある方は調べてみるのも面白いかもしれません。



3.4 取扱い銘柄が限定される
ミニ株(単元未満株)は、全ての証券取引所に上場している株式、つまり全ての銘柄で取引できるわけではありません。
証券会社によっては、ミニ株として取り扱っている銘柄が限られている場合があります。
(1) 証券会社による違い
ミニ株の取扱い銘柄数は、証券会社ごとに異なります。
ある証券会社ではA社のミニ株が買えるけれど、別の証券会社では取り扱っていない、ということもあり得ます。
一般的には、東京証券取引所のプライム市場やスタンダード市場に上場しているような、流動性の高い(取引が活発な)大型株や有名企業の銘柄は、多くの証券会社でミニ株の対象となっていることが多いです。
しかし、グロース市場の銘柄や、地方の証券取引所に単独で上場している銘柄などは、ミニ株の対象外となっていることもあります。
(2) 全ての銘柄が対象ではない可能性
「この会社の株を少しだけ買ってみたい!」と思っても、その銘柄がミニ株の対象になっていなければ、1株から購入することは出来ません。
その場合は、単元株(通常100株)で購入するか、他の投資方法を検討する必要があります。
投資したい特定の銘柄がある場合は、まずその銘柄をミニ株で取り扱っている証券会社があるかどうかを事前に確認することが大切です。
(3) 人気銘柄は比較的多い傾向
多くの投資家に関心を持たれている人気企業や、業績が安定している企業の銘柄は、ミニ株のラインナップに含まれている可能性が高いと言えるでしょう。
例えば、マネックス証券の「ワン株」は、1単元100万円以上するような高額な銘柄を含め、ほぼ全ての銘柄を購入可能としています(一部対象外あり)。
SBI証券の「S株」も、東証上場銘柄の多くを取り扱っています。
証券会社のウェブサイトで、ミニ株の取扱い銘柄リストを確認したり、銘柄検索機能を使ったりして、お目当ての銘柄があるか調べてみましょう。



4. ミニ株が向いている人・向いていない人
ミニ株は手軽で便利な投資方法ですが、全ての人にとって最適な選択肢というわけではありません。ご自身の投資スタイルや目的に合わせて、ミニ株が合っているかどうかを考えることが大切です。この章では、ミニ株が特に向いている人の特徴と、逆にあまり向いていないケース、そしてその場合の代替策について解説します。
4.1 ミニ株に向いている投資スタイル
ミニ株は、特に以下のような考え方や目的を持つ方に適した投資方法と言えるでしょう。
ご自身に当てはまるか、チェックしてみてください。
(1) 投資初心者・未経験者
「株式投資に興味はあるけど、何から始めたらいいか分からない」「いきなり大きな金額を投資するのは怖い」と感じている投資初心者の方や、まだ一度も投資をしたことがない未経験者の方にとって、ミニ株は最適なスタート地点となります。
数百円や数千円といった少額から実際の株取引を体験できるため、投資の基本的な流れや株価の動きなどを、リスクを抑えながら学ぶことができます。
まさに「習うより慣れろ」を実践できるツールです。
(2) 少額から始めたい人
「まとまった資金はないけれど、お小遣いや少しの余剰資金で株式投資を始めてみたい」という方にも、ミニ株はぴったりです。
高価な銘柄であっても1株から購入できるため、予算に合わせて無理なく投資をスタートできます。
「毎月数千円ずつ、色々な会社の株を買ってみよう」といった使い方も可能です。
(3) 分散投資でリスクを抑えたい人
「一つの銘柄に集中投資するのはリスクが高いと感じる」「複数の企業や業種に資金を分けて、安定的な資産形成を目指したい」という方にも、ミニ株は有効な手段です。
少ない資金でも複数の銘柄を保有できるため、手軽に分散投資を実践し、リスクを管理しながら運用することができます。
自分だけのオリジナルポートフォリオを少しずつ作っていく楽しみもあります。
(4) 長期的な視点でコツコツ積立たい人
「将来のために、毎月少しずつでもいいから株式を積み立てていきたい」と考えている方にも、ミニ株は向いています。
多くの証券会社では、ミニ株の積立サービス(例えばauカブコム証券の「プレミアム積立®(プチ株®)」など)を提供しており、毎月決まった金額や株数を自動的に買い付けていくことができます。
ドルコスト平均法の効果も期待でき、長期的な資産形成をサポートします。
(5) 特定の企業を応援したいが資金が少ない人
「この企業の製品やサービスが好きで、株主として応援したいけれど、単元株を買うほどの資金はない」という場合にも、ミニ株は役立ちます。
1株でも株主になることで、その企業への関心が一層深まり、経済ニュースや企業の動向をより身近に感じられるようになるでしょう。
好きな企業を応援する気持ちを、投資という形で表現できます。



4.2 ミニ株が合わないケースと代替策
ミニ株は多くのメリットを持つ一方で、投資の目的やスタイルによっては、必ずしも最適な選択とは言えないケースもあります。
どのような場合にミニ株が合わないのか、そしてその場合の代替策について見ていきましょう。
(1) 大きなリターンを短期間で狙いたい人
株式投資で、短期間に大きな利益(リターン)を積極的に狙いたいという方には、ミニ株は少し物足りないかもしれません。
ミニ株は投資金額が少ないため、たとえ株価が大きく上昇したとしても、得られる利益の絶対額は限定的になります。
例えば、1株1,000円の株を10株(投資額1万円)持っていて、株価が2倍の2,000円になったとしても、利益は1万円です(手数料・税金除く)。
より大きなリターンを目指すのであれば、ある程度まとまった資金で単元株取引を行う方が効率的と言えるでしょう。
(2) 頻繁に売買(デイトレードなど)をしたい人
1日のうちに何度も株を売買するデイトレードのような、非常にアクティブな取引を頻繁に行いたいという方にも、ミニ株は制約が多い場合があります。
多くのミニ株サービスでは、約定タイミングが1日に1回か2回に限られており、リアルタイムでの自由な売買が難しいことが一般的です。
楽天証券の「かぶミニ®」のようにリアルタイム取引が可能なサービスもありますが、それでも単元株取引に比べると機動性で劣る可能性があります。
また、取引回数が増えると、手数料がかさむリスクも考慮に入れる必要があります。
(3) 全ての株主優待を確実に受けたい人
「魅力的な株主優待がたくさん欲しい!」という目的が強い方にとって、ミニ株は必ずしも期待に応えられないかもしれません。
前述の通り、多くの株主優待は単元株以上の株主を対象としており、ミニ株(単元未満株)では優待を受けられないケースがほとんどです。
一部、1株から優待がもらえる企業もありますが、選択肢は限られます。
優待目的であれば、初めから単元株での投資を検討するのが基本です。
(4) 投資資金が豊富な人
すでに十分な投資資金を持っていて、ある程度まとまった金額で株式投資を行える方にとっては、あえてミニ株を選ぶ積極的な理由は少ないかもしれません。
単元株で取引すれば、手数料の面で有利になることが多く、議決権や株主優待といった株主としての権利も全て享受できます。
ただし、資金が豊富な方でも、新しい銘柄を試しに少量だけ買ってみる「試し買い」や、ポートフォリオの微調整のためにミニ株を利用する、といった活用方法は考えられます。
(5) 代替策の提案
もし上記のようなケースに当てはまる場合、ミニ株以外の投資方法も検討してみると良いでしょう。
例えば、
- 単元株取引: ある程度まとまった資金があり、積極的なリターンや株主優待を狙うなら。
- 投資信託: 少額からプロに運用を任せたい、手軽に国際分散投資をしたいなら。様々なテーマの投資信託があります。
- ETF(上場投資信託): 投資信託と株式の性質を併せ持ち、市場でリアルタイムに売買可能。ミニ株と同様に少額から買えるものもあります。
ご自身の投資目的やリスク許容度、資金状況などを総合的に考えて、最適な投資方法を選ぶことが重要です。
「ミニ株とは、万能ではないけれど、特定のニーズにはとても良く応えてくれるツール」という認識を持つと良いでしょう。(キーワード4回目)



5. ミニ株の買い方ガイド
「ミニ株に興味が出てきたけど、実際にどうやって始めたらいいの?」そんな疑問にお答えするため、この章ではミニ株の具体的な買い方をガイドします。主要な証券会社のサービス比較から、口座開設、そして実際の注文までのステップを分かりやすく解説。さらに、手数料や注文時間などをまとめた比較表も用意しました。これを読めば、あなたもスムーズにミニ株デビューできるはずです。
5.1 主要証券会社サービス比較
ミニ株(単元未満株)のサービスは、多くの証券会社で提供されていますが、それぞれに特徴があります。
ここでは、代表的なネット証券4社のミニ株サービスについて、その概要や手数料、注文時間などを比較しながら見ていきましょう。
ご自身の投資スタイルに合った証券会社を見つける参考にしてください。
(1) SBI証券「S株(エスかぶ)」
SBI証券の「S株」は、国内株式の有名銘柄を中心に、1株から投資できるサービスです。
手数料:
インターネットコースで各種書面を電子交付に設定している場合、買付手数料も売却手数料も無料です。
これは非常に大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、当初注文約定時には手数料(税込0.55%、最低手数料税込55円)が徴収され、後日キャッシュバックされる形になる場合があります(条件による)。
注文時間・約定タイミング:
注文はほぼ24時間可能です。
約定タイミングは、注文時間によって異なり、1日に複数回(前場始値、後場始値など)のチャンスがあります。
- 0:00~7:00の注文 → 当日前場の始値で約定
- 7:00~10:30の注文 → 当日後場の始値で約定
- 10:30~14:00の注文 → 翌営業日前場の始値で約定
- 14:00~24:00の注文 → 翌営業日前場の始値で約定
(上記は一般的なケースであり、市場の状況や銘柄により異なる場合があります。詳細はSBI証券のウェブサイトでご確認ください。)
NISA対応:
NISA口座(つみたて投資枠・成長投資枠)での取引が可能です。
非課税のメリットを活かせます。
特徴的なポイント:
Tポイントを使って株を買う「ポイント投資」が可能です。
また、定期的に一定金額を買い付ける「積立買付」サービスも利用できます。
SBI証券は口座開設数も多く、情報も豊富なため、初心者にも人気があります。
(2) 楽天証券「かぶミニ®(単元未満株取引)」
楽天証券の「かぶミニ®」も、1株から国内株式に投資できるサービスです。
手数料:
買付手数料、売却手数料ともに無料です。
ただし、リアルタイム取引(東証の取引時間中に株価を見ながら売買できる取引)を行う場合は、手数料は無料ですが、約定価格に対して0.22%のスプレッド(売値と買値の差)が実質的なコストとしてかかります。
寄付取引(前場寄付での取引)の場合はスプレッドはかかりません。
注文時間・約定タイミング:
大きな特徴は、リアルタイム取引が可能な点です。
- リアルタイム取引:東証営業日の9:00~11:30、12:30~15:25(東証で寄り付いた後から注文可能)
- 寄付取引(前場寄付):前営業日17:00~当日8:45までの注文が、当日前場の始値で約定
リアルタイム取引では、指値注文も可能です。
NISA対応:
NISA口座(成長投資枠)での取引が可能です。
特徴的なポイント:
楽天ポイントを使って株を買う「ポイント投資」ができます。
また、楽天銀行との連携サービス「マネーブリッジ」の自動入出金(スイープ)機能も利用でき便利です。
リアルタイムでアクティブに取引したい方には魅力的なサービスでしょう。
(3) auカブコム証券「プチ株®」
auカブコム証券(旧カブドットコム証券)の「プチ株®」も、1株から株式投資を始められるサービスです。
手数料:
特定口座・一般口座の場合、約定代金に対して0.55%(税込)、最低手数料は52円(税込)です。
ただし、NISA口座(成長投資枠)での取引手数料は無料です。
注文時間・約定タイミング:
注文は24時間可能です(システムメンテナンス時を除く)。
約定タイミングは、注文時間帯によって1日2回(前場始値、後場始値)となります。
- 前営業日10:01~当日10:00の注文 → 当日後場の始値で約定
- 当日10:01~当日23:00の注文 → 翌営業日前場の始値で約定
- 当日23:01~翌営業日00:00の注文 → 翌営業日後場の始値で約定 (休日の注文は翌営業日後場始値。詳細はauカブコム証券のウェブサイトでご確認ください。)
注文は成行注文のみです。
NISA対応:
NISA口座(成長投資枠)での取引が可能で、手数料も無料になります。
特徴的なポイント:
Pontaポイントを使って株を買うことができます。
また、毎月500円以上1円単位で積立設定ができる「プレミアム積立®(プチ株®)」サービスがあり、この積立買付の手数料は無料です。
コツコツ積立をしたい方に向いています。
(4) マネックス証券「ワン株」
マネックス証券の「ワン株」は、1株から取引できる単元未満株サービスです。
手数料:
買付手数料は無料です。
売却手数料は、約定代金に対して0.5%(税込0.55%)、最低手数料は48円(税込52円)です。
ただし、NISA口座(成長投資枠)での取引の場合、売却手数料も実質無料(全額キャッシュバック)となります。
注文時間・約定タイミング:
当日午前11時30分までの注文が、原則として当日後場の始値で約定します。
それ以降の注文は、翌営業日の後場始値での約定となります。
注文は成行注文のみです。
NISA対応:
NISA口座(成長投資枠)での取引が可能で、手数料も実質無料(買付無料、売却時キャッシュバック)となります。
特徴的なポイント:
主要ネット証券では珍しく、単元未満株でも貸株サービスが利用でき、保有しているだけで金利を受け取れる可能性があります。
また、取扱銘柄が豊富で、1単元100万円以上するような値がさ株(株価の高い株)も含め、ほぼ全ての銘柄が購入対象となっています(一部対象外あり)。
このように、各社でサービス内容に違いがあります。
「ミニ株とは、どの証券会社で始めるかによって使い勝手が変わるもの」と理解し、ご自身の優先順位(手数料の安さ、リアルタイム取引の可否、ポイント利用、積立機能など)に合わせて選ぶことが大切です。(キーワード5回目)



5.2 口座開設から注文までの手順
「ミニ株を始めてみたいけど、具体的に何をすればいいの?」という方のために、証券口座の開設から実際にミニ株を注文するまでの大まかな流れを説明します。
思ったよりも簡単に始められますよ。
(1) 証券会社を選ぶ
まずは、どの証券会社でミニ株取引を行うかを選びます。
前のセクションで紹介したように、SBI証券、楽天証券、auカブコム証券、マネックス証券など、多くのネット証券がミニ株サービスを提供しています。
各社の手数料、取扱銘柄、注文方法、ポイントサービス、NISA口座の対応などを比較検討し、ご自身の投資スタイルや目的に合った証券会社を選びましょう。
初心者の方は、口座開設数が多い人気のネット証券や、普段利用している銀行やポイントサービスの関連会社などを選ぶのも一つの方法です。
(2) 証券口座を開設する
利用する証券会社を決めたら、次にその証券会社の総合証券口座を開設します。
最近では、ほとんどのネット証券で、ウェブサイトからオンラインで簡単に口座開設の申し込みが出来ます。
一般的な流れは以下の通りです。
- オンライン申し込み:
- 証券会社のウェブサイトにある口座開設ページから、氏名、住所、連絡先などの必要情報を入力します。
- 勤務先情報や投資経験、資産状況なども質問されることがあります。
- 特定口座(源泉徴収あり・なし)やNISA口座の開設も同時に申し込める場合が多いです。
- 本人確認書類の提出:
- 運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証などの本人確認書類を提出します。
- スマートフォンで撮影した画像をアップロードする方法や、郵送でコピーを送る方法などがあります。
- マイナンバーの提出:
- マイナンバーカードまたは通知カードのコピーなどを提出します。
申し込み後、証券会社による審査が行われます。
審査に通ると、数日から1週間程度で口座開設完了の通知や、取引に必要なID・パスワードなどが郵送またはメールで送られてきます。
(3) 投資資金を入金する
証券口座が無事に開設されたら、次はその口座にミニ株を購入するための資金を入金します。
入金方法は証券会社によって異なりますが、一般的には以下の様な方法があります。
- 銀行振込(証券会社指定の口座へ振り込む)
- インターネットバンキングを利用した即時入金サービス(提携金融機関からリアルタイムで入金可能、手数料無料の場合が多い)
- ATMからの入金(提携ATMを利用)
ご自身の利用しやすい方法で、投資に使う予定の金額を入金しましょう。
(4) 銘柄を選んで注文する
口座に資金が入金されたら、いよいよミニ株の注文です。
- 銘柄の探し方:
- 証券会社の取引ツールやウェブサイトには、銘柄を検索する機能があります。
- 企業名や銘柄コード(企業ごとに割り振られた4桁の数字)で検索したり、業種やランキングなどから探したりすることができます。
- 企業の業績や株価チャート、関連ニュースなども参考に、投資したい銘柄を選びましょう。
- 注文方法:
- 投資したい銘柄が見つかったら、ミニ株(単元未満株)の取引画面から注文を出します。
- 購入したい株数を入力します。
- 注文方法(成行注文が基本ですが、リアルタイム取引が可能な場合は指値注文も選べる場合があります)を選択します。
- 注文内容を確認し、実行すれば完了です。
約定のタイミングは証券会社や注文時間によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
約定すれば、晴れてその企業の株主の一員です。



5.3 手数料・注文時間の比較早見表
ミニ株(単元未満株)サービスを提供している主要なネット証券4社について、手数料や注文方法などの特徴を一覧表にまとめました。
証券会社を選ぶ際の参考にしてください。
ただし、情報は変更される可能性があるため、必ず各証券会社の公式ウェブサイトで最新の情報をご確認ください。
証券会社名 | サービス名 | 買付手数料(税込) | 売却手数料(税込) | リアルタイム取引 | 主な約定タイミング | NISA口座手数料(成長投資枠) |
SBI証券 | S株 | 無料(条件あり) | 無料(条件あり) | 不可 | 前場始値、後場始値など(注文時間による) | 無料 |
楽天証券 | かぶミニ® | 無料 | 無料(リアルタイム取引はスプレッド0.22%あり) | 可能 | リアルタイム(東証取引時間中)、前場始値 | 無料 |
auカブコム証券 | プチ株® | 約定代金の0.55%(最低52円) | 約定代金の0.55%(最低52円) | 不可 | 前場始値、後場始値(注文時間による) | 無料 |
マネックス証券 | ワン株 | 無料 | 約定代金の0.55%(最低52円) | 不可 | 後場始値 | 実質無料(売却時キャッシュバック) |
【補足情報】
- 上記の「手数料無料」には、特定の条件(例:電子交付設定、NISA口座での取引など)が必要な場合があります。
- 楽天証券の「かぶミニ®」のリアルタイム取引では、手数料は無料ですが、別途スプレッド(売値と買値の差、2024年8月時点で0.22%)が実質的なコストとしてかかります。
- auカブコム証券の「プチ株®」の積立買付(プレミアム積立®)は手数料無料です。
- 約定タイミングは、一般的なものであり、市場の状況やシステムメンテナンスなどにより変動することがあります。
- NISA口座の手数料は、特に記載がない限り、成長投資枠での取引を想定しています。
この表はあくまで概要です。
ご自身の投資スタイルや重視するポイント(例えば、手数料の安さ、取引の自由度、ポイントプログラムの有無、積立機能の充実度など)を考慮し、各証券会社の詳細情報をしっかりと比較検討することが大切です。



6. ミニ株で受け取る配当金と税金
ミニ株でもらえる配当金について、その計算方法や受け取り方を分かりやすく解説します。さらに、配当金にかかる税金と、NISA口座を活用したおトクな非課税のポイントもご紹介します。賢く配当金を受け取るための知識を身につけましょう。
6.1 配当金の受け取り方法
ミニ株で株を持つと、企業からの利益のおすそ分けである「配当金」を受け取れることがあります。
ここでは、配当金とは何か、ミニ株ではいくらもらえるのか、そしてどうやって受け取るのかを、一つひとつ見ていきましょう。
(1) 配当金とは?
配当金とは、企業が事業活動で得た利益の一部を、株主に対して分配するお金のことです。
株を持っているということは、その会社の一部のオーナーになるということです。
会社がもうかったら、そのお礼として株主に利益を分けてくれる、それが配当金と考えると分かりやすいでしょう。
すべての会社が配当金を出すわけではありません。
利益が出ていても、将来の成長のために投資を優先する会社や、まだ利益が少ない会社は配当金を出さないこともあります。
配当金を出すかどうか、いくら出すかは、会社自身が決定します。
(2) ミニ株でもらえる配当金の計算方法
ミニ株、つまり1株からでも、企業が配当を実施していれば、その持っている株数に応じて配当金が支払われます。
計算方法はとてもシンプルです。
例えば、ある会社が「1株あたり10円の配当金を出します」と発表したとします。
もしあなたがその会社の株を5株持っていれば、「10円 × 5株 = 50円」の配当金がもらえます。
もし1株だけなら、「10円 × 1株 = 10円」です。
このように、持っている株の数に比例して、配当金の額が決まります。
これは、100株単位で取引する通常の株式投資とまったく同じ考え方です。
(3) 主な配当金の受け取り方
配当金を受け取る方法は、主に以下の3つがあります。
ご自身で選ぶことができますが、選ばない場合は証券会社が定めた方法になることもあります。
- 株式数比例配分方式
- 証券会社の口座で配当金を受け取る方法です。
- 複数の証券会社で同じ銘柄を持っている場合、それぞれの口座の株数に応じて配当金が振り分けられます。
- NISA口座で配当金を非課税にするには、この方式を選ぶ必要があります。
- 登録配当金受領口座方式
- あらかじめ指定した銀行口座で、すべての銘柄の配当金をまとめて受け取る方法です。
- どの証券会社で株を持っていても、配当金はこの一つの銀行口座に入金されます。
- 配当金領収証方式
- 企業から送られてくる「配当金領収証」を郵便局や銀行の窓口に持って行き、現金で受け取る方法です。
- 昔ながらの方法ですが、手間がかかることもあります。
(4) どの受け取り方法がいいの?
どの受け取り方法が良いかは、あなたの状況や考え方によって異なります。
もしNISA口座で投資をしていて、配当金を非課税にしたい場合は、「株式数比例配分方式」を選ぶ必要があります。
これが最も大切なポイントです。
特にこだわりがなければ、証券会社の口座で自動的に受け取れる「株式数比例配分方式」は手間もかからず便利でしょう。
複数の証券口座を持っている場合、一つの証券会社で受け取り方法を変更すると、他の証券会社の受け取り方法も自動的に変更されることがあるので注意しましょう。
分からない場合は、口座を開設した証券会社に確認してみるのが安心です。



6.2 税制優遇とNISA利用時のポイント
ミニ株で得た配当金には、実は税金がかかります。
でも、NISAというおトクな制度を使えば、税金がかからなくなることもあります。
ここでは、配当金の税金とNISAについて詳しく見ていきましょう。
(1) 配当金にかかる税金の基本
通常、株式の配当金には税金がかかります。
具体的には、20.315%の税金が引かれます。
この20.315%の内訳は、所得税と復興特別所得税が15.315%、住民税が5%です。
例えば、1,000円の配当金を受け取った場合、実際に手元に入るのは約797円(1,000円 – 203円)ということになります。
この税金は、多くの場合、配当金が支払われるときに自動的に引かれる(源泉徴収される)ので、自分で何か手続きをする必要はありません。
(2) NISA口座なら配当金が非課税に!
ここで登場するのがNISA(少額投資非課税制度)です。
NISAは、国が作った個人の資産形成を応援するための制度です。
NISA口座の中で株を買ったり投資信託をしたりして得た利益(値上がり益や配当金・分配金)には、一定の範囲内で税金がかかりません。
つまり、NISA口座でミニ株を買って配当金を受け取った場合、通常かかる20.315%の税金がゼロになり、配当金をまるまる受け取れるのです。
これはとても大きなメリットです。
(3) NISAで配当金を非課税にするための重要ポイント
NISA口座で配当金を非課税で受け取るためには、とても大切なポイントがあります。
それは、配当金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」に設定することです。
これ以外の受け取り方法(例えば銀行口座振込など)を選んでいると、NISA口座で保有している株の配当金であっても課税されてしまいます。
せっかくの非課税の権利を活かすために、NISA口座を開設したら、まずは配当金の受け取り方法が「株式数比例配分方式」になっているかを確認しましょう。
設定は証券会社のウェブサイトなどで変更できます。
(4) 新しいNISAの非課税投資枠について
2024年から始まった新しいNISA制度では、非課税で投資できる金額の枠が大きく広がりました。
年間で投資できる上限額(年間非課税枠)は合計360万円です。
そのうち、「成長投資枠」では年間240万円まで株式投資(ミニ株含む)などができます。
そして、生涯を通じて非課税で保有できる総額(非課税保有限度額)は1,800万円です。
これらの枠内で得た配当金は非課税になります。
ミニ株のような少額からの投資でも、このNISAの枠を上手に活用することで、効率的に資産を増やしていくことが期待できるでしょう。
ただし、外国株の配当金については、日本での税金はかかりませんが、外国で税金が引かれる場合がありますので注意が必要です。



7. よくある質問(FAQ)
ミニ株について、投資を始める前に多くの人が疑問に思うことを集めました。「1株だけでも配当金はもらえるの?」「株主優待は何株から?」といった基本的な質問から、積立投資の可否、税金の注意点まで、スッキリ解決します。
7.1 1株でも配当はもらえる?
ミニ株で「たった1株だけ」株を持つことになった場合、それでも配当金はもらえるのでしょうか。
これは、株式投資を始める方が最初に気になるポイントの一つかもしれません。
(1) 結論:はい、もらえます!
ご安心ください。
ミニ株で1株しか持っていなくても、その会社が配当金を出していれば、配当金を受け取ることができます。
株主としての権利は、持っている株数が少なくても基本的に同じように認められるからです。
「少ししか持っていないから、もらえないかも…」と心配する必要はありません。
(2) 株数に応じてもらえる仕組み
配当金は、持っている株の数に応じて公平に分配されます。
例えば、会社が「1株につき10円の配当」を決定した場合、1株持っていれば10円、10株持っていれば100円がもらえる、という仕組みです。
ですから、1株でもその1株分の配当金がきちんと支払われます。
もちろん、たくさん株を持っている人の方が合計額は多くなりますが、1株あたりの金額は同じです。



7.2 株主優待は何株から?
株を持っていると、配当金の他に「株主優待」がもらえる会社もあります。
株主優待とは、企業が株主に対して自社製品やサービス、割引券などをプレゼントする制度です。
ミニ株でも、この株主優待はもらえるのでしょうか。
(1) 基本は100株以上が多い
株主優待の内容やもらえる条件は、会社によって本当にさまざまです。
しかし、多くの企業では、株主優待をもらうためには「100株(1単元)以上の株式を保有していること」を条件としています。
これは、優待品を送るためのコストなどを考えると、ある程度まとまった株数を持っている株主に限定した方が効率的だから、という理由があります。
そのため、残念ながらミニ株で数株だけ持っていても、多くの場合は株主優待の対象外となってしまうことが多いです。
(2) ミニ株でも優待がもらえるケースも?
ただし、諦めるのはまだ早いです。
一部の企業では、1株からでも株主優待を提供していたり、長期保有の株主に対して特別な優待を用意していたりする場合があります。
例えば、上新電機(8173)のように、1株でも保有していれば株主優待の権利が得られる銘柄も存在します(2025年3月18日時点、9月末割当基準日の場合)。
数は多くありませんが、探してみると「ミニ株主」にも優しい企業が見つかるかもしれません。
(3) 優待情報を確認する方法
ある会社の株主優待について知りたければ、その会社の公式ウェブサイトの「IR情報」や「株主様向け情報」といったページを確認するのが一番確実です。
また、証券会社のウェブサイトや、株主優待情報をまとめた専門のサイトなどでも調べることができます。
「〇〇(会社名) 株主優待」といったキーワードでインターネット検索してみるのも良いでしょう。
優待をもらうためには、「権利確定日」という特定の日に株主である必要があるので、その日付も一緒に確認しておきましょう。



7.3 ミニ株で積立投資はできる?
毎月コツコツと少額ずつ株を買い増していく「積立投資」。
ミニ株でも、このような積立投資はできるのでしょうか。
まとまったお金がなくても、将来のために少しずつ資産を作っていきたいと考える方には気になるところです。
(1) 多くの証券会社で可能!
はい、多くの主要ネット証券では、ミニ株(単元未満株)を利用した積立投資サービスを提供しています。
例えば、SBI証券の「S株」の定期買付サービス、楽天証券の「かぶツミ®(国内株式積立)」、マネックス証券の「ワン株」での日本株積立、auカブコム証券の「プレミアム積立®(プチ株®)」などがあります。
これらのサービスを利用すれば、毎月決まった日に、決まった金額分または決まった株数で、自動的にミニ株を買い付けてくれます。
(2) 積立投資のメリット
ミニ株で積立投資をすることには、いくつかの大きなメリットがあります。
- 少額から始められる: 数百円や数千円といった本当に少ない金額からスタートできます。
- 時間分散でリスク軽減(ドルコスト平均法): 毎月一定額を買い続けることで、株価が高いときには少なく、安いときには多く株を買うことになり、平均購入単価を抑える効果が期待できます。 これをドルコスト平均法といいます。
- 手間がかからない: 一度設定すれば自動で買い付けてくれるので、忙しい人でも続けやすいです。
- 長期的な資産形成に向いている: コツコツと続けることで、将来的にまとまった資産を築ける可能性があります。
(3) 主要ネット証券のミニ株積立サービス例
改めて、いくつかの証券会社のミニ株積立サービスを見てみましょう。
- SBI証券「S株」の定期買付:
- S株対象銘柄を自動で買い付け。
- 買付手数料は無料。
- NISA枠での利用も可能。
- 楽天証券「かぶツミ®」:
- 「かぶミニ®」対象銘柄を1株から積立可能。
- 買付手数料は無料。
- NISA成長投資枠での取引に対応。
- マネックス証券「ワン株」の日本株積立:
- 1株から積立可能(株数指定)。
- 買付手数料は無料。
- NISA口座での売買手数料も実質無料。
- auカブコム証券「プレミアム積立®(プチ株®)」:
- 毎月500円以上1円単位で金額指定積立。
- 積立買付手数料は無料。
- NISA口座での利用も可能。
これらの情報は変更されることもあるので、実際に利用する際は各証券会社の最新情報を必ず確認してください。



7.4 損益通算や確定申告の注意点
ミニ株で利益が出たり、逆に損失が出てしまったりした場合、税金はどうなるのでしょうか。
「確定申告」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、ミニ株投資でも必要になるのでしょうか。
少し難しいかもしれませんが、大切なことなので確認しておきましょう。
(1) ミニ株の利益にも税金がかかる
ミニ株を売って得た利益(譲渡益といいます)や、受け取った配当金には、原則として税金がかかります。
税率は、配当金と同じく合計20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)です。
これはミニ株でも通常の株式投資でも同じです。
(2) 特定口座(源泉徴収あり)なら基本的に確定申告不要
証券会社で口座を開設するとき、「一般口座」「特定口座(源泉徴収なし)」「特定口座(源泉徴収あり)」のどれかを選ぶことになります。
このうち、「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおけば、ミニ株で利益が出た場合でも、証券会社が自動的に税金を計算して納めてくれます。
そのため、基本的には自分で確定申告をする必要はありません。
投資初心者の方や、税金の手続きを簡単に済ませたい方には、この「特定口座(源泉徴収あり)」がおすすめです。
(3) 確定申告が必要になるケース
「特定口座(源泉徴収あり)」でも、以下のような場合には確定申告をした方が良い、あるいは必要になることがあります。
- 複数の証券会社の口座や他の投資(例:一般口座での取引)で出た損失と、ミニ株の利益を相殺したい場合(損益通算)
- 年間の給与以外の所得(投資の利益など)が20万円以下で、源泉徴収された税金を取り戻したい会社員の方(特定口座(源泉徴収なし)を選んでいた場合など)
- 一般口座で取引した場合
少し複雑なので、もし「自分は確定申告が必要かな?」と思ったら、税務署や税理士さんに相談するか、国税庁のウェブサイトなどで確認してみましょう。
(4) 損益通算とは?
損益通算とは、同じ年の利益と損失を合算して、全体の利益を減らすことで税金の負担を軽くする仕組みです。
例えば、A株のミニ株で5万円の利益が出たけれど、B株の取引(特定口座や一般口座)で3万円の損失が出たとします。
この場合、損益通算をすると、利益は「5万円 – 3万円 = 2万円」として計算され、2万円に対して税金がかかることになります。
「特定口座(源泉徴収あり)」の中で複数の取引がある場合は、その口座内で自動的に損益通算してくれます。
しかし、他の口座との損益通算は確定申告が必要です。
(5) NISA口座の損益は通算できない
ここで一つ、とても大切な注意点があります。
NISA口座で出た利益は非課税ですが、もし損失が出た場合、その損失は他の口座(特定口座や一般口座)の利益と損益通算することができません。
NISA口座の損失は、税法上「なかったもの」として扱われるためです。
NISA口座を使うときは、この点を覚えておきましょう。



8. ミニ株を活用した投資戦略
ミニ株はただ少額で株が買えるだけではありません。その特性を活かせば、初心者でも賢い投資戦略を立てることができます。ここでは、高配当株を少しずつ集める方法、手が届きにくいと思っていた値がさ株に分散投資する方法、そして積立投資との組み合わせで長期的な資産形成を目指す方法など、具体的な戦略をご紹介します。
8.1 高配当株を少額で仕込む
「配当金生活」という言葉に憧れる人もいるかもしれません。
ミニ株を使えば、その第一歩を気軽に踏み出せます。
ミニ株とは、まさにこのような高配当株への少額からのアクセスを可能にする便利な仕組みなのです。
(1) 高配当株投資の魅力
高配当株とは、株価に対して配当金をたくさん出してくれる会社の株のことです。
銀行預金の金利がとても低いここ最近では、株の配当金に注目が集まっています。
高配当株を持っていると、定期的に配当金という形で収入(インカムゲインといいます)を得られる可能性があります。
株価が上がることによる利益(キャピタルゲイン)だけでなく、安定した収入も期待できるのが高配当株投資の魅力です。
(2) ミニ株で高配当株に投資するメリット
通常、魅力的な高配当株は、1単元(100株)買おうとすると数十万円以上の資金が必要になることも少なくありません。
しかし、ミニ株なら1株から買えるので、数千円や数万円といった少ない資金でも、有名な企業の高配当株の株主になることができます。
例えば、SBI証券の「S株」や楽天証券の「かぶミニ®」などを使えば、気になる高配当株を少しずつ買い集めていくことが可能です。
NISA口座を利用すれば、受け取る配当金も非課税になるので、さらに効率的です。
(3) 少額からコツコツ配当金生活を目指す
ミニ株で高配当株を少しずつ買い増していくことで、将来的に受け取れる配当金の額を徐々に増やしていくことができます。
いきなり大きな金額は難しくても、毎月のお小遣いや余剰資金の一部を使って、コツコツと「配当金を生む木」を育てていくイメージです。
例えば、年間配当利回りが4%の株を毎月5,000円ずつ買っていくと、1年後には元本6万円に対して年間2,400円の配当金(税引前)が期待できるようになります(株価変動なしの場合)。
このように、ミニ株は夢の配当金生活への現実的な第一歩となり得るのです。



8.2 値がさ株への分散投資
「あの有名企業の株、持ってみたいなあ」と思っても、株価が高くて手が出せない…そんな経験はありませんか。
ミニ株なら、そんな憧れの「値がさ株」にも手が届き、さらに賢く分散投資することも可能です。
(1) 値がさ株とは?
値がさ株(ねがさかぶ)とは、1株あたりの株価が高い株式のことです。
例えば、1株5,000円や1万円以上するような株を指すことが多いです。
これらの株は、通常1単元(100株)購入しようとすると、50万円や100万円以上の大きな資金が必要になります。
業績が良かったり、成長が期待されたりする優良企業や人気企業に多い傾向があります。
(2) ミニ株なら憧れの企業の株主にも
ミニ株の最大のメリットの一つは、この値がさ株にも1株から投資できることです。
例えば、1株1万円の株でも、ミニ株なら1万円(+手数料)でその会社の株主になれます。
今まで「高嶺の花」だと思っていた企業の株を、ミニ株を通じて少しずつ買い集めることができるのです。
これにより、自分の好きな会社や応援したい会社、将来性があると思う会社など、投資先の選択肢が大きく広がります。
(3) 分散投資でリスクを抑える考え方
ミニ株は、分散投資にも非常に役立ちます。
分散投資とは、投資する資金を一つの銘柄や商品に集中させるのではなく、複数の異なる対象に分けて投資することで、リスクを抑える考え方です。
もし一つの会社の株価が大きく下がってしまっても、他の会社の株を持っていれば、全体の損失を和らげることができます。
ミニ株なら、少ない資金でも複数の値がさ株や異なる業種の株に少しずつ投資できるため、手軽に分散投資を実践できます。
例えば、10万円の資金があれば、1単元では1つの銘柄しか買えないかもしれませんが、ミニ株なら10銘柄以上に分散することも可能です。



8.3 ミニ株+積立投資の組み合わせ
ミニ株の「少額から買える」というメリットと、「積立投資」の「コツコツ続けられる」というメリット。
この二つを組み合わせると、初心者にとって非常に強力な資産形成の武器になります。
(1) ドルコスト平均法の効果
ミニ株で毎月一定額を積み立てていくと、ドルコスト平均法の効果が期待できます。
ドルコスト平均法とは、定期的に一定金額で同じ投資対象を買い続ける方法です。
株価が高いときには買える株数が少なくなり、株価が安いときには多く買えることになります。
これにより、長期的には平均購入単価を平準化する効果が期待でき、高値掴みのリスクを減らすことができます。
いつ買ったらいいかタイミングに悩む必要がないのも、初心者にとっては大きなメリットです。
(2) 長期的な資産形成を目指す
ミニ株と積立投資の組み合わせは、長期的な視点での資産形成にとても向いています。
毎月数千円からでも、10年、20年と続けることで、複利の効果も働き、思った以上に大きな資産になっている可能性があります。
複利とは、投資で得た利益や配当金をさらに再投資することで、雪だるま式に資産が増えていく効果のことです。
すぐに大きな利益を求めるのではなく、時間を味方につけてじっくりと資産を育てていく戦略です。
(3) 無理なく続けるコツ
ミニ株積立を長く続けるためのコツは、無理のない金額で始めることです。
生活に影響が出ない範囲の金額、例えば毎月のお小遣の一部や、節約して浮いたお金などからスタートしましょう。
一度設定すれば自動で買い付けてくれるので、あとは「ほったらかし」でも大丈夫です。
途中で株価が下がっても慌てて売ったりせず、むしろ「安く買えるチャンス」と捉えて淡々と続けることが大切です。
目標金額や期間を決めておくのも、モチベーションを保つ上で役立つでしょう。



9. まとめ ミニ株を賢く使って投資を始めよう
この記事では、ミニ株の魅力やメリット・デメリット、配当金や税金、さらには具体的な投資戦略まで、初心者の方にも分かりやすく解説してきました。ミニ株は、株式投資の第一歩を気軽に、そして賢く踏み出すための素晴らしいツールです。最後に、ミニ株で投資を始めるための大切なポイントをまとめます。
これまで、ミニ株とは何か、そしてその魅力について詳しく見てきました。
ミニ株は、株式投資のハードルをぐっと下げてくれる、初心者にとって心強い味方です。
数百円や数千円といった少額から、有名企業や応援したい企業の株主になれるのが、ミニ株の最大の魅力でしょう。
通常なら数十万円、数百万円が必要な株でも、ミニ株なら1株から購入できます。
これにより、今まで「自分には縁がない」と思っていた株式投資が、ぐっと身近なものになります。
また、ミニ株でも保有株数に応じて配当金を受け取ることができます。
NISA口座を上手に活用すれば、その配当金にかかる税金も非課税にできます。
これは、コツコツと資産を増やしていきたい方にとって、とても大きなメリットです。
ミニ株は、分散投資を始めるのにも最適です。
少ない資金でも複数の銘柄に投資することで、リスクを抑えながら株式投資を経験できます。
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言がありますが、ミニ株はまさにそれを手軽に実践できるツールなのです。
さらに、多くの証券会社で提供されているミニ株の積立サービスを利用すれば、毎月決まった金額で自動的に株を買い付けてくれます。
これは、ドルコスト平均法の効果も期待でき、長期的な資産形成を目指す上で非常に有効な方法です。
忙しい方でも、投資のタイミングに悩むことなく、無理なく続けることができます。
もちろん、ミニ株にも注意点はあります。
手数料が単元株取引に比べて割高になる場合があることや、リアルタイムでの取引が難しいこと、株主優待が基本的には対象外であることなど、デメリットもしっかりと理解しておく必要があります。
しかし、これらの注意点を理解した上で賢く活用すれば、ミニ株はあなたの投資の世界を大きく広げてくれるはずです。
まずは、「お試しで始めてみる」「練習として使ってみる」という気持ちで、ミニ株の世界に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
少額で実際の取引を経験することで、株式投資の感覚を養い、経済や社会の動きにも自然と興味が湧いてくるかもしれません。
この記事が、あなたがミニ株を通じて、楽しく賢く投資を始めるための一助となれば幸いです。
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未来の自分のために、今日から小さな一歩を始めてみましょう。
本記事の注意事項(免責事項)
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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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